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2013年6月14日金曜日

「ChuSingura 46+1 -忠臣蔵46+1-」 感想



脈絡もなくエロゲ(?)レビュー!
むしゃくしゃして買った「ChuSingura 46+1 -忠臣蔵46+1-」について
発売日から少し経ってますが、無軌道に感想をば
ネタバレ注意!



タイトルからわかるようにこのゲームは1701-1703年に起きた元禄赤穂事件を元ネタにした
「忠臣蔵」をアレンジした18禁サウンドノベルです

※この作品は恋愛ADVではなく、サウンドノベルです
ADVの特徴である選択肢は作品中1回のみしか出てこないし、
その片方はBAD END直行という、まさにDead or Aliveなものなので、
選択肢による駆け引きみたいなものを求めるならお門違いです


歴史上の英雄譚や事実を世界観として取り込んだ「萌え」作品は数多く世に出ているけど
年末にお茶の間でテレビから垂れ流される事でお馴染みの(※独断と偏見)「忠臣蔵」がモデルになるのは珍しい

手にするまで知らなかったんですけど、このサウンドノベルは今まで同人作品としてシリーズを重ねてたんですね
それらをまとめて新規シナリオを加えた完成版がこの商業版である「ChuSingura 46+1 -忠臣蔵46+1-」らしい



さてさて早速いつもの方法でレビューしてみまひょ


グラフィック … B+


ぬい氏の手掛ける絵にはおそらく初めて触れるのですが、かなりいいですね
総勢40名以上のキャラの書き分けがしっかり成されてて、しっかり可愛い!
背景も江戸時代の日本をしっかり描いていたと思います

特筆すべきは立ち絵の豊富さ
ただでさえイベントCGの枚数に不足はない上に、
大量の立ち絵差分でキャラの動きや表情が詳細に描かれてるのが◎


剣をふるう立ち絵に加え、水撒きする立ち絵や釣りする立ち絵など、ここまで用意するか?って思うほど




サウンド … B

ボーカル曲は4曲。ファーストオープニングの「ADABANA ~仇華~」は激熱。
Ducaの声音って朗らかで柔らかいから、ポップな曲調かやさしい曲にしか合わないと思ってたんだけど
こういうカッコよさげな歌い方もできるんだな…さすがプロ。さらに惚れました

BGMは28曲で、場面の雰囲気を演出するのに不足はなかったです
まぁサントラを買うほどではない、という感じ

声優もなかなか豪華でビビった
エロゲーマーなら思わず感心するでしょう


演出 … B-

立ち絵を動かしまくったりして戦闘の迫力を出すことにはある程度成功しているが、
やっぱり、ところどころチャチかなーってところあり

特に物語前半のシーン(おそらく同人からの輸入部分)に顕著なんですが、
一枚絵を拡大する演出で解像度不足によってすこし画面が荒くなるのも気になります

とはいえ、最終戦のキャラ総出演はなかなか燃えました





ストーリー … B+

このノベルは、主人公の深見直刃が同姓同名の赤穂藩士に成り代わって約2年間に及ぶ元禄赤穂事件に関わるなかで、
自身のタイムスリップの謎や当該事件の真相を求めて、何度もこの2年間を繰り返すという筋書だが、
そのタイムスリップ1周につき1章、全5章で構成されている…ちなみにヒロインは1章につき1人固定

ボリュームは普通に読んで50時間くらいで、個人的に満足。
サウンドノベルなのだから、これくらいの読みごたえが無くてはいかんでしょう

ストーリー全体を通して、
行動の差によって変動する歴史に翻弄される「ループもの」の基本的な面白さと、
亡君の仇討を果たさんとする志士を巡る江戸時代ならではの人間ドラマ
伏線の回収と謎が徐々に明らかになっていくよく練られたシナリオの妙が上手く組み合わさっている

このノベルのシナリオの上手いところは、
「忠臣蔵」の構成要素を分析し(山科・上方・江戸の各拠点や幕府・関係諸国の反応など)、
ループごとの主人公の行動や外的要因によって「多角的に見る忠臣蔵」を表現しているところだと思う

伏線の張り方は微妙に露骨だったけど、伏線の回収は結構きれいだったかな
これは明らかに伏線だろって気づくんだけど、ここで回収するのか!と驚かされる
主人公がいろいろ策を弄する展開は結構好きです

ストーリーとは別に、江戸時代のトリビアが散りばめられていて面白かったですな
ウソだろと思ってググってみると(←現代人の悪癖)、どうやら本当らしい知識ばっかりで感心しました

この作品にはバトルシーンが数多く差し込まれます
後述しますが、戦いは基本「強い…速い…!(カキンカキン」「圧倒的な剣圧…!(ゴォッ」って感じで進むので
真面目に剣術勝負の文章を読みたいという期待には応えられないだろう
しかし、それ以外の要素で熱い展開が演出されるので、決してつまらなくはないです


その他の不満を申せば、仮にも「萌え燃えサウンドノベル」を標榜するなら、
もう少し攻略対象キャラを増やしてもよかったのでは?ということ
ストーリーが掘り下げられるメイン5人に対して女性キャラは30名以上
分岐用に選択肢を少し設置すれば、あと1~2キャラは入れられたのでは…?
まぁ割と史実に基づいて背景を設定しているみたいなので、多くは無理だろうけど
否応にもFDへの期待が高まりますよね


あと、各章だけでなく各場面へ直接アクセスできるメニューが欲しかったかな
尺が長い作品なので、好きなシーンを探すのがかなり面倒
こまめにセーブしようにも1週目であたりをつけてするのは難しいので、これは必要だと思う


さて、それぞれの章を見てみると…(※以下重大なネタバレ)


・1章山科拠点の視点、忠臣蔵の基本的な流れ、赤穂浪士のキャラたち、その他基本設定を定着させる

この1章は言わば序章であり、「タイムスリップもの」「異世界もの」の楽しさが味わえる
江戸時代と現代のギャップに戸惑いつつ、武士としての生き方に順応していく様は面白い
これは全編通して言えることだけど、「人を斬る葛藤」がちゃんと描かれててよかった

どうでもいいけど、「巻き上げ」って真剣でできるの?
あれって竹刀を振り上げる前の牽制の時点で絡めとって跳ね上げる技じゃ…まぁ細かいこたぁいいか

恋愛要素としては、内蔵助が直刃に惚れるのが微妙に急であまり萌えられなかったかな
昼行灯状態の内蔵助がマスコット過ぎるのも…いや小動物的な可愛さはあるんだけどさ
関係ないけど「天上天下」の真夜を思い出して、しばらく頭の中でボンバヘッ  ボンバッヘッが止まらなかった




・2章江戸拠点の視点、急進派を中心とした人間ドラマ、ループものの主人公らしい足掻き

この章から「ループもの」としての展開が始まる
サブタイトル通り、前章と違い江戸詰めの急進派と共に行動する
江戸詰めのキャラ達は皆濃くてオモロイし、安兵衛は可愛いんだけど、
お梅の愚かっぷりが酷すぎて安兵衛関連のシナリオに感情移入できなかった…
1回目はおびえても仕方ないが、それを繰り返すなよと

どうでもいいけど、↓の顔がすげー好き


逆に小平太の死は危うく涙腺崩壊しそうでした…こういう人情ものには弱いんだよなぁ
民安さんの吐血演技が凄まじくリアルでビビったww
ただ、生と死のはざまで小平太が「次は自分を生かせ」って伝えるシーンはちょっと…なにこれ?って思ったな
こうしないと次につながらないのはわかるんだけど、少し無理矢理だったかと
これも関係ないが、民安ヴォイスで「○○姉ぇ~」って言われると、某グリザイアのマキナさんにしか聞こえない
完結したばっかりだし、イントネーションも一緒だし…いつ汚い軍人口調になるかと思ってました

あと、安兵衛と直刃の逃亡資金を強がって貸し出す多門殿かわいい。それだけ。




・3章山科拠点の視点、ループものの醍醐味「繰り返される死への失望と克服」

前章までの高圧的な態度とのギャップで、松之亟のヒロイン力が半端ない
大した理由もなく最初から好感度MAXってあまり好きじゃないんだけど、そんなこと気にならないほどの飽和攻撃



「史実の結末を知らない者の死を見せつけられる」って設定に
直刃がどうして気づいたのかがよく分からなかったが、デレ之亟のせいで正直どうでもいい
そこに、新八郎とかいう依存型ヒロイン登場…ニヤニヤが止まんねぇぞウェヒヒ
小倉結衣さんのヤンデレ演技は素晴らしいな

この章で主に描かれるのは、
実子を討ち入りに参加させたくない親と、一人前の武士として認めてほしい娘の衝突
こういう親子愛はベタで地味だが、結構感動できた

1章からの伏線である第二陣の行動から、新八との決着に至る伏線の回収はなかなかでした 
戦闘の描き方とCGは新八戦のが一番好き
「装甲悪鬼村正」のようにガチで剣術を描くことのない限り、これくらいさっぱりでいいと思う
無駄に描写を重ねたり薀蓄を垂れても読み手の集中がダレるだけだしな

はっきり言って主人公の葛藤の意味がよく分からなかったが、
俺の好きな親子愛もきっちり描いていたし、デレ之亟は可愛いし、
お見合いのギャグと言い、現代に帰ってからの相合傘の伏線と言い、
一番きれいにまとまってた章だったかと




・4章中立・旗本急進派視点、仇討を待つ浪士の苦渋、敵側にもう一人の時間逆流者、忠臣蔵の影の部分の指摘、黒幕の存在の露見

この章から追加シナリオらしい
全体から見ると「起承転結」の「転」にあたる章で、今までの章とは毛色が違って面白かった
なんというか、ライターの忠臣蔵およびこの時代への愛が感じられた部分だったかな

結局、歴史論争で説得力のある主張をするなら確実な資料に基づかなければならないわけで、
事実を裏付ける資料が失われているなら堂々巡りにならざるを得ないんだよね

さらにメタなことを言えば、作品中の「現代」と「江戸時代」が同一時間軸上にあるかどうかもわからないため、
「現実とこの世界は違うから」の一言で終わりな可能性もあるわけで…
「こんな ふぁんたじー に まじになっちゃって どうするの」って感じは拭えないよね
そんなこんなで、Hシーンに入るまでこれが18禁サウンドノベルってことを完全に忘れてました


それにしても、3章のロリペド偽公家の衣装が伏線だったとは…


借金の形に身内を遊郭に売られるってのは時代劇ではよくあるシチュだが、こういう作品でやられるとハラハラするな
お初ちゃんの悪堕ちエンドかと思って焦ったが、そこは救われて(?)よかった
これがNitro+制作だったら完全に精神破壊されてたんだろうな
一魅を困惑させるのに必要な死ではあったので、悪堕ちよりはましだと思うのはおかしいだろうか



・5章上方拠点の視点、浪士と家族、黒幕への挑戦、伏線回収と最終決戦

露骨なまでに張られまくる伏線に気が気でなくて仇討パートには集中できなかったんだが、
日常パートではやっと望んでいた矢頭ファミリーとの暮らしだったので楽しかった
この章は中盤まで「家族愛」「人を斬ってまで仇討する覚悟」の物語、終盤がメインストーリーの完結を描きます

このチャプターのヒロインは小夜ってことで、父上の死や武家の家族の葛藤と合わせて完全に泣きましたね
え?右衛門七?あぁ何か露骨に言い寄ってきてうざかった奴のこと?


↑公式OPで現在進行中の人気投票の経過を見れば、これが民意であることは明白でしょう




いやだって、もうダメじゃん?
死地に赴く兄と姉を心配させないために槍の素振りを真似ながら見送るとか、もう絶対泣くじゃん?




小夜の直刃への好意が一番自然だしね。
何度リセットしても吸引力の変わらないただ一人の女の子だからね。
メインヒロインになるのは仕方ないね。
もう俺ロリコンでいいや。


あと、浅右衛門さんをなぜもっと早く出さなかったのだ…!
一色姉さんの声は本当に姉御キャラに合うわぁ
登場して数クリックで完全にキャラが確立されたからね
「人斬りの業」をよく表したキャラとストーリー展開だったかと


ギャグもシリアスも完璧に雰囲気が出るからな…これぞプロですよ
かわしまりのさん演じる数衛門と同時に出てきたときは思わずにやけたw
この二人が二大姉御キャラヴォイスだな…
最終決戦の名刀バーゲンセールCGがかっこよすぎ濡れた


最終決戦についてですが、赫夜の正体以外は伏線の回収が綺麗だったかと
バトル自体は、伝説の剣で一発KOという展開なので、演出以外に見るところはない
ファンタジーものの戦闘シーンは、意外な謀略とかで敵の裏をかくみたいな展開がない限り、
熱いうちに勢いで素早く押し切らないとコンビニ弁当より早く冷めるので、これくらいの長さで十分です
もっと短くてもよかったくらいだな
「熱い展開の基本」のキャラ総出演やヴィジュアルの派手さで迫力はあって評価はできる


赫夜はもう少し早く正体というか、歴史改変の理由を匂わせておいて欲しかった
今まで出てきたモブの顔は赫夜でした!とかドヤ顔で言われても…
いきなりのべつまくなしに激情を吐露されてもポカーンって感じですわ


そしてエンディング…
あれ?この展開どっかで…と思ったら某灰色の楽園のエンディングと丸被りやないかーい!
綱吉公の説得方法とか、無罪放免後に匿われてた現代での10か月とか、小夜の修行とか、
重要部分が描かれずに茫然としてたら、いつの間にかグリザイア展開という…
まぁ一応綺麗で幸せな終わり方だったとは思います




総評 … B

総じて「楽しかった」という後味なので、「選択肢がないとつまらん」という人以外には薦められます

ループもの・時代劇的人情もの・家族愛好きなら、シナリオ厨の人でも気になったら手にとってもよいかと
世界観に無理がなく(忠実な江戸時代の再現)、忠臣蔵は有名な話なので、日本人の琴線をどこかで引掻くことでしょう
学園モノに飽きたらこういう歴史ものに手を出してもいいんじゃないでしょうか

ただ、個人的趣向に大きく依存するキャラ萌えを期待するのは危険です
キャラ数は多いので、気に入る子がいればいいね、くらいの気持ちの方が怪我せずに済むかと
体験版やれば毒見にはなるかも


個人的には3章(萌え・親子愛)~4章(忠臣蔵の光と影)で盛り上がり、
5章の小夜の見送り(家族愛)がピークだったかな
「グリザイアの楽園」の直後にプレイするとエンディングの意外性が削がれるかもしれませんが
そうでなければめでたしめでたしのハッピーエンドが楽しめるでしょう
2chの該当スレを覗くと、剣道経験者や剣術・忠臣蔵ファンには引っかかる部分があるみたいですが、
一般的な理解を持つくらいの人なら問題なく楽しめるし、所詮フィクションと割り切る方が精神衛生上よろしいかと


上記の未説明部分とアフターストーリーは描きやすいだろうし、ぜひFDは出してほしい!
最低でも、現代での約1年間の雲隠れは絶対に描いて欲しい!
あと、小夜多門殿萱野さんのルートも頼む!あと、孫太夫の調教ルートもあってもいい!

ていうか、現在進行中の人気投票になんで多門殿がいねぇんだよ!おかしいだろ!
メインヒロイン組でぶっちぎり下位の右衛門七とか普通にいらn<censored>

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