Do not miss your chance to blow.(挨拶)
1か月以上放置しているこのサイトですが、別に放棄しているわけではないのです。
2月中に更新ができなかった理由が、今回のネタである「南インド旅行」なのです。
アニメやエロゲーなどの創作物を部屋の中で消費するだけのクソ虫が、
バックパッカーの真似事をするとどうなるのか、書いてみようと思います。
引きこもりが旅をする理由
さて、エロゲとアニメの情報で埋め尽くされているこのブログに突如として現れた「インド旅行」の文字。ついに二次元作品の愛で過ぎで幻覚を見るようになったかと思われてもおかしくない唐突さだが、
決してそういうわけではない。トップの写真はインドの寝台電車で俺が実際に撮ったものです。
いきなり海外旅行をすることを決心した理由は以下の3つ。
①一身上の都合で、思い付きで長期の旅行をするような余裕がなくなるから。
②いわゆるバックパッカーという旅行スタイルにあこがれを持っていたから。
③単純に暇だったから。
まぁ①についてはいいだろう。お察しください。③についても同様。考えるな、感じるんだ。
②が一番大きな理由だろうな。
なんというか、バックパッカーほど「自由」を体現してる存在はいないと思うのです。
自分が行きたいところに行き、見たいものを見て、食べたいものを食べる。
もちろん彼らにも予算上の制限があるだろうが、それは生きる上で当然のことだ。
それ以外のしがらみを無視して自由に旅するという行動パターンに、俺は強く惹かれていたのです。
より詳しく分析すると、俺の中のバックパッカーのイメージは、
「自分の知らない土地」を「あまりプランを決めず」に「一人で旅する」人達というものだ。
移動手段は自分で用意し、最終的な行き先はその場のノリで決め、誰にも気を使わない。
つまり、海外ぶらり一人旅をすれば、俺の欲は満たされるはず。
そんな曖昧な憧れと暇を持て余したために、この旅行を決意したのでした。
なぜ南インドなのか
この旅の事を書くにあたって、まずどうして南インドを選んだのか、ということを説明せねばなるまい。答えは明々白々、なぜなら俺がひねくれ者だからである。
「インドという国は、行くと価値観が変わる」…そんな言葉を聞いたことがある人もいるだろう。
かくいう俺も、インドに行ったことがある知り合いが何人かいて、
彼らが旅から帰って来る度に、「とても刺激的な国だ」と言って聞かされたものだ。
中には上記の世迷言を真顔で吐くやつもいた。
そんなに楽しそうな国なら、俺もぜひ行ってみたい。
というか、そんなに簡単に価値観なんて変わるわけない、ということを確かめたい。
そんな理由でまずインド行きを決定した。
しかし、インドは日本の約8.7倍の面積を持つ国であり、
そのすべてを見回るにはとてもじゃないが予算も時間も足りない。
そこで、行き先を絞り込まなければならない。
さて突然だが、あなたが「インド」と聞いて連想するものは何だろうか。
最も有名なヒンドゥー教の聖地であるガンジス川?
世界で最も美しい墓と言われるタージ・マハル?
釈迦が悟りを開いたという仏教の聖地、ブッダ・ガヤー?
仏教・ヒンドゥー教の石窟寺院として最大級の規模を誇るエローラ、アジャンター石窟群?
これらの有名スポットは、ほとんどインドの北方にある(エローラとアジャンターは真ん中くらい)。
つまり、日本人の「インド」に対するイメージは北インドに集約されていると言っても過言ではない。
そんなところに行った話を誰かにしても、「ああ、あれね」の一言で終わることウケアイですよ!
ていうか、みんなが行くようなところに行ってもツマラン!
…という捻くれ根性丸出しな理由で、南インドに目標を定めたわけです。
どこを回ったのか
大まかな行き先が決まったところで、旅行ガイドを開いてみる。南インドと一口に言っても見どころは枚挙に暇がなく、改めてインドの広大さを思い知る。
今回俺が用意できた時間は、予算との兼ね合いで2週間。
ただ観光スポットを見回るだけの旅は、どこかで飽きが来るだろう。
そこで、行き先を2つか3つに絞ってゆっくり過ごした方がインドを感じられるのでは?と思い至り、
拠点をチェンナイという大都市に決め、そこからピストン移動で遠出するというプランを立てた。
そのプランに従い旅の用意をし、格安航空券も購入。
そして2月の初旬に、俺はチェンナイに向けて飛び立ちました。
トランジット含め15時間ほど移動して、チェンナイ国際空港に到着。
税関で列に並んでいると、前に立っていたインド人のおっさんが声をかけてきた。
大きなリュックを一つ抱えた、引きこもり特有の白い肌をしたアジア人が珍しかったのでしょう。
慣れない英語でおっさんに旅のプランを話すと、開口一番「ピストン移動は時間の無駄だ!」と切捨て、
「インドを旅するなら、ラウンドトリップがいい。バスか電車を使って、往復が無いように回るんだ」
…と力説し始めた。その口調に完全に出鼻を挫かれ、税関を通過するころには完全に説得されていた。
初日だけ予約していたホテルについた後、旅の計画をその場で練り直した。
チェンナイから北西にある「ハンピ」には絶対行こうと決めていたので、南インドを反時計回りするプランを立てた。
その後、旅の途中で細かい変更があり、最終的に以下のようなルートを通った。
※もしGoogleマップにピンが表示されなかったら恥ずかしいので、大まかに文字でも書いときます。
チェンナイ→ハンピ→バンガロール→コチ(コーチン)→カニャクマリ→マドゥライ→マハーバリプラム→ポンディチェリ→チェンナイ
旅の感想
まず、旅全体を通して感じたこと、旅を終えてすぐの今の感想を述べておきたい。今回訪れた各地については、おまけということで後述。
1番に感じたことは、やれば案外できるものだな、ということ!
四六時中椅子に座り、飯とトイレ以外では滅多に部屋から出ないクソ野郎でも、
しかるべき装備とやる気があれば、バックパッカーの真似事くらいはできます。割と。
また、行き先、移動手段、食事、宿、それらを自分で決めて行動するのは結構楽しいです。
自分が選んでたどり着いた場所が素晴らしいものだった時の興奮は、
俺の稚拙な表現力では伝えられないほど自分の心を躍らせ、感動させます。
漫画などの創作物で見る冒険者の気持ちが少しわかった気がします。
それだけに、もっとすごい場所へこの足で行って、すごいものをこの目で見たい!
それに、次の旅はもっと上手く、バックパッカーとして良い旅ができるはずだ!
…という気持ちが沸々と湧き出てきます。
この旅で多くのバックパッカーと出会いました。中には世界一周の途中という強者もいました。
彼らの話を聞くと、世界って本当に広いんだな、俺が行ったらどう思うんだろう、と考えずにはいられない。
ただ、現実を考えるとなかなか難しい。現実とはすなわち、予算、生活、年齢、人生…。
実際、彼らの中には仕事を辞めて旅をしているという人が少なくありませんでした。
というか、自分より年上の人達がそういう現実を省みず(実際はどうかわかりませんが)、
世界の各地を旅しているという衝撃的な事実を目の当たりにして、
「自由の持つ魔力」、「旅の持つ魔力」というものの存在を強く強く感じました。
彼らが自分の旅のことを話す顔は本当に生き生きして魅力的だったけど、
「旅」を人生にできる、又はしている人は世界にどれくらいいるんだろうか。
上記のような逸る気持ちを覚える反面、今のところ自分はそんな人間にはなれないかなと思っています。
ハンピ。行って良かったと胸を張って断言できる場所。 |
そして、インドについて。
俺は世界1周をしたわけではないからすべてを比較はできないけど、
「こんなに刺激的な国は、あまりないんじゃないか」と考えている。
商売人は隙を見せれば釣り銭をごまかし、金をぼったくり、人をだます。
でも交渉にはノッてくるし、頭を使った駆け引きは慣れると面白い。
英語は凄くなまってるし、そもそも喋れない人もいるし、頷き方が独特で分かりずらいけど、
商売人以外の人は困っていれば耳を傾けて助けてくれるし、よく笑うし、態度が穏やかだ。
いまだにカーストが存在し、何千何百という民族や言葉が混ざり合い、
10億以上の人間が広大な土地にひしめき合うあの国は、全てが「常識」外れで刺激的だ。
「もしインドに行くのなら、どこへ行くにも1か月欲しい」という「地球の歩き方」の言は間違ってない。
旅行者の間でも、インド1周に必要な時間は最低1か月、2~3か月でも少し短いと言われるほどだ。
俺が豊かで画一的な日本に生まれたから、余計にそう思うのかもしれないけど、
上記の「旅の魔力」に重ねて「インドの魅力」が、俺の意識をあの灼熱の大地へいまだに引っ張り続けています。
何かしらの価値観が変わったか?という問いに対して。
俺の答えは、「そんなに大きな変化はない…はず」というところか。
何か俺の人格が矯正、もとい変化したかと言われればそんなことはない。
例えば、旅の間は言いたいことを言わなければ喰われるだけだったので、
結構毅然とした態度で振舞っていたけども、
日本に帰ってきた今となっては、元の気弱な日本人にすっかり戻ったと思う。
ただ、バックパッカーの楽しさ、インドの魅力を強く知ったことは事実だ。
将来ふとしたきっかけで、何も省みずバックパック一つで世界1周に旅立ってしまうかもしれない。
何というか、そんな爆弾を新しく抱えてしまったということが一番大きな変化かな。
兎にも角にも、多少の反省はありつつ、自分のやりたいことはできたかなと思う旅でした。
これを読んで「いっちょどこか旅してみようかな」と思う人がいるかどうかわかりませんが、
可能か不可能かで言ったら全然できるぞ、とだけ書かせていただきます。
以上、引きこもりの南インド旅行雑記でした。
おまけってことで、最後に旅した場所について。
いちいちコメントしてたら短い小説並の文章量になってしまうので、箇条書きで感じたことを書いてみます。
・チェンナイ
本当に広い街。
旧市街の植民地時代の建物や郊外のビーチは見ものだが、都会なので人々がスレてて滞在しづらい。
移動はローカル電車の方が安いし勝手がいい。
・ハンピ
この旅で一番楽しかった。岩と河と遺跡と田園で構成された南インドの楽園。
その光景は人間の原始的な感動を呼び起こす。
欧米人多いけど物価も安いしまた行きたい。いや絶対行く。
・バンガロール
都会過ぎワロタ。
物価は結構高いけど、大抵の店にwi-fiがあるから便利っちゃ便利。
朝早くに郊外のシティマーケットに行けば、現地の人々の生活が垣間見える。
あと、新市街ブリケード・ロード周辺の地図は「歩き方」「Lonely Planet」両方適当だから注意。
・コチ(コーチン)
フェリーで島々の間を行き来するリゾート地。
金を使ってゆっくりするのが正しい過ごし方。おしゃれなカフェが多い。
ユダヤ人所縁の観光スポットがあるので、ユダヤ教の休みである金曜土曜の観光は避けるべし。
・カニャクマリ
インド最南端で3つの海の合流地点、厨二心をくすぐるこの町は処女の女神の信仰の場。
朝日と夕陽の参拝客や沐浴(海水浴)する人で賑わい、ホテルがとりにくい。
・マドゥライ
インド本来の文化・ドラヴィダ文化の中心地。ミーナークシー寺院は圧巻の一言。
郊外のマーリアンマン池はかなり遠いので注意。徒歩で往復3時間、死ぬかと思いました。
・マハーバリプラム
日本で言えば鎌倉?ヒンドゥー遺跡と美しい海岸の町。石像屋が異様に多い。
日帰りで行ったが、そのゆったりとした空気は非常に滞在しやすそうだった。
機会があればまた行きたい。
・ポンディシェリ―
フランス植民地→イギリス領→フランス領→連邦直轄領という特殊な変遷を辿る町。
雰囲気は完全にヨーロッパ。街並み、海岸、カフェ…何につけてもシャレオツ。
高い物価に目を瞑れば、かなり過ごしやすい。
0 件のコメント:
コメントを投稿