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2014年1月3日金曜日

新年のご挨拶と映画「モテキ」感想


明けましておめでとうございます。(挨拶)


今年の南関東の元旦は、年末の厳しい寒気もいささか緩まり、新年を祝うにふさわしい日となりました。
一年の計は元旦にあり。初詣で引いたおみくじで「争いごとの絶えない年になる」物騒な予言をかまされた私といたしましては、この年初めの柔らかな陽気のように心穏やかに2014年を過ごしていきたいと思っています。

こんなネットの片隅でひっそりと続けているブログでも、1日に延べ100人~200人ほどの方に閲覧されているようです。こんな矮小なサイトをどこから見つけてくるのでしょうか。疑問は尽きませんが、たとえ1秒でも私の発する声に目耳を傾けていただけるのは、非常にありがたいことだと感じております。どうぞこのクソブログを今後ともよろしくお願いいたします。


さて、優雅で怠惰な三が日を過ごすべく新聞のTV欄を眺めてみるも、
毎年変わり映えしない特番が軒を連ねているのに辟易したので、
久しぶりにいくつか映画を借りてみました

その中の一つ「モテキ」について、とめどめのない感想を垂れ流したいと思います
一応ネタバレ注意!






「モテキ」は久保ミツロウの同名漫画作品のその後を映画化したもので、2011年に公開されました
2010年にはテレビドラマで作品の本編が映像化されているようです
俺は原作を読まず、このドラマも見ずにこの映画のみを視聴しました


・あらすじ
藤本幸世、31歳。1年前にやってきた“モテキ”の後も実家で暮らしていたが再び上京し、墨田が興したニュースサイト・ナタリーの面接を受けて正社員として採用された。ライターの仕事を覚えながら生き甲斐を感じて働いていた頃、ツイッターを通じて雑誌編集者である松尾みゆきと知り合い、意気投合する。彼女に付き合っている相手がいると知りながらもデートを重ねるが、同棲までしている事から積極的になれなかった。そんな時期に、みゆきの友人である枡元るみ子に告白をされて一夜をともにする。一度はるみ子を好きになろうと思う幸世だがみゆきへの思いを断つこともできず、るみ子を振ってしまう。その後取材でみゆきの彼氏である山下ダイスケに会って、彼が他の女性と結婚している事を知る。幸世は感情を高ぶらせてみゆきの元へ駆けつけ、気持ちを伝えるが拒絶されてしまう。ダイスケが主催するフェスの当日、ダイスケは離婚することをみゆきに伝えるがみゆきは気が浮かず、取材に来ていた幸世を見つけると逃げ出してしまう。幸世は彼女を追いかけて、そしてキスを迫る。
(wiki引用)
うーん…適当に引用しましたけど、これがすべてですね…w
これが劇中で起こる全部の出来事ですわw


まず演出面の感想をば

特徴的な演出として、まずサブカル系の記事を出すニュースサイトが職場なだけに、
様々なシンガーやユニット、バンドが本人役で登場します
いくつかは主人公の幸世(森山未來)とコラボするという演出

この仕掛けは楽しかったし、リアリティを出すのに一役も二役も買ってると思います


もう一つ気になったのが、
幸世が失敗して傷つくたびに挿入歌が流れるんですが、
その際にカラオケみたいに曲の進行に合わせて歌詞が出るんですね

これも試みとしては面白かったんですが、いかんせん回数が多い
こういうテロップ系は2回くらいが限界だと思うんですけど、4~5回くらいあったかな?
幸世に感情移入してると結構辛い場面があるのに、この演出で冷めることがあって残念でした




さて、ストーリーについてですが…
率直な感想を言えば、痛々しいけど主人公を応援したくなるビタースウィートな話だった
主人公の幸世の葛藤は結構リアルで等身大で、共感できるものだった
あれよね…性欲に支配されると本質を見失うんだよね
ヤれるかヤれないかで考えるのは最低だと思うんだけど、
周りは面白がってそれを至上のものだと囃し立てるし、自分じゃ止められない
肥大した自意識は容易に正常な判断力を奪い去る

その幻惑を振り切ってようやく相手の心に触れたかと思いきや、
触れたくらいじゃ全くわからない相手の心の深さに愕然として、
相手の求めるものを何一つ持ってない自分に嫌気がさす

もうね…辛くて途中で2回くらい一時停止ボタンを押しましたからね

終盤にみゆき(長澤まさみ)が幸世を拒絶するところでの台詞
「私、幸世くんじゃ成長できない」
これがもう…もう痛くて痛くて…
男としてのみならず、人間として否定されることほどキツイことはないわ
「ヤれればいい」っていう稚拙な考えからようやく脱して、本当に好きな人を見つけたのに、
その人本人から『恋愛だけが自分を成長させるわけじゃない』って現実を突きつけられるわけだからね



ただ、この直後の幸世はめっちゃかっこよかったと思う
自転車を担いで泣きながら帰ると、
PCの画面にはみゆきと同棲する妻帯者を宣伝するための記事の作成画面…
直前まで書いてたヤケクソ原稿を、みゆきの言葉を反芻して歯を食いしばって消去して、一心不乱に記事作成に没頭する
翌朝、幸世の上司が出社すると、幸世が自席のPC画面の前でうなだれている
画面を覗くと、そこにはダメ出しの必要もない見事な記事原稿
上司は無言で画面を操作し、その記事を公開することを承認した…
この流れはなかなか感動的でしたわ



しかし!

ラストの場面…これが納得できなかったんだよなぁ
取材中の幸雄がみゆきとその男を発見して、一度は背を向けて逃げる
その後、色々思い出して覚悟して振り返る…

ここまではよかったのに、なぜそこで追いかけちゃうんだよ…
あの記事を完成させたことで、自身の成長をみゆきに示したのはわかる
でも、まだ足りないんじゃないのか?幸世の成長の描き方が不足している気がする
そこで立派に取材を続行し、仕事を完遂してからみゆきにコンタクトした方がかっこよかったはず

なんというか…「幸雄の成長物語」だと納得してるところに、
いきなりクサい恋愛をブチ込まれて、展開についていけなかったという感じ
最後が駆け足すぎんだろ…と。

言わば、幸世が十分に成長しないまま暴走するが、周りがそれを許してしまうというのが「モテキ」の作品構造
本物のアーティストやガジェットによって作り上げられたリアリティを、そんな世界構造がぶち壊してしまうことに失望したってところですかね

あと、冷静に考えると幸世って31歳なんだよね…
いい年したおっさんの行動原理が「ヤれるかヤれないか」ってのはね…
今俺は20代だから、まだ共感できるけど、30の時に視聴して同じ感想を持てるかっていうと自信ないです
ていうか、絶対こんな30歳にはなりたくないです(断言)


まぁそんなこんなで、
サブカル文化に着目すると面白いけど、恋愛モノとしてはちょっと物足りない作品だと思いました

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