先日、『乙女理論とその周辺』の記事について
閲覧数の伸びが半端ないってことを書きましたがその次に伸びているのが「さえかの」1-2巻の感想記事です
やっぱり注目されてるんですね…さすが丸戸さん
ということで、3巻を読了したので旬なうちに感想を書きたいと思います
一応、ネタばれ注意!
さて、3巻のあらすじはこんなの。
イロイロあったものの、詩羽による渾身のストーリープロットが無事に完成! いよいよキャラデザ……のはずなのだが、英梨々の様子がおかしくて! ? 打ち明けられない想いを抱えたまま、コミケが始まる! !
(amazon 内容紹介より)
まぁ予想通り、3巻は英梨々にまつわるお話がメインでした
そして、あらすじにある「英梨々の様子がおかしく」なる原因が
新キャラ(後輩キャラ)の波島出海の登場です
3巻表紙の子がこの出海ちゃんです
てっきり恵だと思ってたんですが…
さすが丸戸作品、メインヒロインは絶対にヴィジュアル的に目立ちません
毎度ながら、描かれる物語の筋が複数本あり、
それらが絡まって一本の強靭なワイヤーになっているのが面白い
①幼馴染によって創作物の虜になり、同人にまで手を出した女の子(出海)が
同好の士と語るためのツールに留まっていた自分の同人誌が作品として評価され、
「コミケではじめて完売した」感動によって本格的に同人制作にのめり込むストーリー
②同人を手掛ける上で外すことのできない舞台、コミケを中心に
「ある程度完成した人気同人作家(英梨々)」と「無名ながら恐ろしい才能を秘めた新人(出海)」の2人が
主人公(倫也)を接点に出会い、互いをライバルと認識するに至るストーリー
③7年前から続き最近は沈静化していた幼馴染との(倫也と英梨々の)軋轢が
「思い出の作品」と「圧倒的な才能との衝突」によって活性化するが、
倫也が逆境をチャンスに変えて「わだかまりの解消」と「挫折からの再起」を引き出すストーリー
大まかに言うとこの3本の筋が絡まって3巻を構成してるのかな
これらとは別に恋愛的なエッセンスとかが絡まってたりして
それぞれ先が気になる上手い文章で書かれてて、気付いたら読了してました
うわーww 何から書こうかなww
とりあえず①に関しては出海の「売れない同人作家」感がすげーリアルでしたね
同人活動をほんのり楽しんでいるんだけど、倫也に「売れない方がいいか」と詰め寄られると
ポカンとした後に吹き出して「売れなくていい同人作家なんていないよ先輩~」とぶっちゃける
この反応が生っていうか、出海のキャラを際立たせてて実に良い
現状あまり評価されてないから、見てくれる人と話せる楽しさが目立つだけで
何かを作る以上、それが二次創作でも評価されたらそりゃ嬉しいですよね
あとがきにもあったけど、実際こういう経験してるからこそ、リアリティあふれる場面でしたね
巻頭のカラーページで重要な場面を描くのっていいよね |
それで、②と③についてですが
この2つは物語上も強く絡み合ってるので意識せずに書きます
なんというか、3巻は「オーバーラップ」がテーマなのかなって思いました
そもそも、英梨々がプレゼントして倫也を初めてハマらせたゲーム『リトラプ』
このゲームを倫也が出海にプレゼントすることで、出海という「同人の天才」を生み出した
これは作中でも『澤村英梨々のやり直し』と表現されてる
そして、倫也と英梨々の7年越しの軋轢(③)の解決も、
『リトラプ』のイベントを踏襲して英梨々を連れ出すことで実現する
これに関してもわざわざ6ページ割いてそのイベントを書いて(第6章)からの連れ出しシーン(真・第6章)ですからね
余談だが、連れ出す前に親や知り合いに根回しをする倫也は「丸戸作品」の主人公ぽくてよかった
そんでもって、出海の才能に対する英梨々の嫉妬と恐怖は
倫也があえて英梨々の成長の停滞を指摘して、
「俺を夢中にさせてみろ」と煽り成長を促すことでとりあえずの決着を見ましたが、
これは序盤に出てきた出海の兄・伊織が、恐るべき才能を有し伸びしろ無限大の出海を
手中に収めた巨大有名サークルにおいて成長させてデビューさせようとする姿勢に対応しているようにも見える
つまり、今後「倫也P×英梨々 vs. 伊織P×出海」という展開が望める…!
これに英梨々と出海の恋愛バトルが絡めば…こいつぁ楽しみになってきたぜぇ…(*´Д`)ハァハァ…
とまぁ、長々と書いてみましたが
個人的には、英梨々と出海メインのストーリー展開の影で
倫也への態度が露骨になりつつも理解ある良妻のようなキャラが立ってきた恵が印象的でしたね
前巻から倫也が他の女を繋ぎとめるために置いてけぼり食らいまくってるのに
それでも英梨々を救うために徹夜で乙女ゲーをプレイですよ
どんだけいい子なんだよ…
普通なら倫也は見捨てられた後、女子ネットワークによって学校中で最低野郎呼ばわり位は免れんぞ…
コミカライズ2作がそれぞれ英梨々と詩羽先輩ルートを描くということで
つまり本編ではこの二人は選ばれないってことで…それが少し残念だったんですけど
その残酷な事実を納得出来るくらい3巻では恵が健気でした
あとがきで5巻が目標と書かれていたから、
4巻は4人の倫也争奪戦・前編、5巻が後編みたいな感じかな
どちらにせよ楽しみです
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