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2013年3月2日土曜日

「迷子の警察音楽隊」感想 

先日レンタルした映画を消化したので
軽く感想を書きたいと思います
一応ネタばれ注意です

  • 迷子の警察音楽隊 (2007年)

エジプトの8人編成の警察音楽隊が、隣国イスラエルに招かれて演奏することに。
手違いで迎えが来ないので、バスに乗り自力で目的地に向かうことにした音楽隊御一行。
しかし、彼らが行き着いたのは目的地と一文字違いの名を持つ、辺鄙で寂れた田舎町だった…。
…というのがあらすじ



鑑賞直後の感想は「なんか喉乾いた…」

全然さっぱりしないんですよね
フィクション作品って何らかのストーリーが当然あって
見せ場山場があって、今までの伏線とかが組み合わさって
感情が爆発するカタルシスがあるものじゃないですか
この作品にはそれがない

徹底的にかみ合わないんです
まず、音楽隊のメンバー同士もギクシャクしてるし
現地人には訝しがられ、言語も違うから交流はカタコトの英語
宿が無いので食堂の女将と居合わせた住民のお宅に宿泊するが
家族関係が上手く行っていない家で奥さんの誕生日パーティに同席
悲恋に敗れた女将がデートに誘ってくれたはいいが、娯楽は寂れたフードコートでのおしゃべり
しかも誘われた隊長は最近奥さんを亡くしたばっかりでそんな気分じゃない

これらが解決するかと言えば全く解決しない


だが…




考えてみると現実って割とこんなもんですよね
音楽隊はこの街にたった一晩訪れているだけだし
その中で上手く立ちまわるのって結構大変なことだし、その必要性すら…
ましてや言葉があまり通じない初めての土地ですよ
実際その身になったら俺もこうなるだろうな

この映画の肝は、見せ方のうまさですね
とにかく「気まずい雰囲気」の表現が上手い!
思わず(ノ∀`)アチャーって呟いちゃいます

そして日常の圧倒的なリアリティー
イスラエルの田舎ってこんな感じなんですね
何のにぎわいも刺激もない寂れた場所で
それでも住民はそんな町を嫌悪するわけでもなく
人々の生活は延々と続いている
まるでNHKのドキュメンタリー番組を見てるかのようだった

音楽隊の訪れが少しの変化を及ぼしたとしても
そこにはそこの日常があって
彼らは所詮他所からの一時的な来訪者である
前述のかみ合わなさも、そんな現実の表現方法として上手く機能している
とにかく感動したい人には向かないでしょうが、
なんとも言えない無常な現実を楽しめる映画っす


なんかコンパクトにまとめるつもりが結構書いちゃったので
snatchは別のエントリーに書きます

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